雪と涙とアナタと~CASE2~
私が小さく漏らした言葉に、彼は首をかしげた


「良かったね、そんなおかしい私とは、もう付き合わなくて良いから」

「え?」


彼の声になんて目にもくれず私は言葉を放っていく


「今日で終わろう……最初からそのつもりだったのだから。今日でさようなら」


そう言って私は彼の部屋を飛び出した

彼の家を出て、外に出ると雪が降っていた

真っ白で無垢な色が、汚らわしい私の服に肩に頬に積った

このままこの白が私に溶け込んで、私自身を綺麗にしてくれれば良いのに

けれどおかしくなりすぎた私の心と頭の中は、こんなもんじゃ浄化されなかった

昔、本当に昔

雪が積もれば2人で雪だるまを作った

彼が下、私が上の雪の玉を作って

あの頃に戻れたら、何か変わったアクションを私は起こせるかな?

でもそんな事、考えたってしょうがない

疲れ切った体と心を無理やり動かして、私は家に入ると自分の部屋へと向かった


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