雪と涙とアナタと~CASE2~
終わった

何もかも終わったんだ―――――

あぁでも、私はやっぱり


「一哉……、一哉が好き……」


どんなに心が壊れても、私のこの気持ちだけは壊れてくれなかった

彼以外を求める事の出来ないこの心と体を、私はどうしたら良いのだろうか?

誰か教えて……

頬を伝う熱い涙が止まらない


「一哉ごめん、ごめん、ごめんね……」

「何で謝ってんの?」


突然聞こえたその声に、私は驚いて顔を上げた

その拍子に私は優しい腕に包まれていた

そこから香るのは愛しい彼の香り

先ほどまで、心の中で私と違うあの人を抱いていた一哉だった


「いやっ、離して!!どうしてここにいるのよ!!!」


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