雪と涙とアナタと~CASE2~
そう言って彼の体を離そうとするも、力の差は歴然で私は依然として彼の腕の中にいた


「ベランダ越えてきた。で?何で泣いてんの?分かんないよ…お前が。視えねぇんだよ、お前の心が」


彼の言葉と行動の意味が分からなくて、私は黙って泣き続けた

涙は止まるところを知らないみたいで、彼のシャツにどんどんシミを作ってゆく


「さっきはごめん言い過ぎた……でも分かんねぇのお前の事が。知りたいんだ全部を…」


そう言って彼は私を腕から解放すると、まっすぐな瞳で私を見つめた


「俺は……お前の事が好きになっちゃった………みたい」


不安そうに寄せた眉に、いつもより弱い声

私は彼の言葉が最初分からなくて、黙ってしまった


「ごめん、お前はきっと俺の気持ちなんて迷惑だよな。俺の相手してくれてたのも、最初は同情で、その後は義務感みたいなもんだろ?」


そう言って私から少し目を逸らして、彼は俯いた


「なに……言ってんの?」


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