雪と涙とアナタと~CASE2~
私が途切れ途切れにそう言葉を発すると、彼は訳が分からないと言った表情で私を見つめ直した


「私がどんな気持ちであなたに抱かれ続けたと思っているの?」

「………」


暗闇の中、小さく呟く私の声


「ずっと好きな人に、気持ちのないセックスされていた私の気持ちが分かる?心の中で私じゃない他の女性を抱いている好きな人を見る私の気持ちが、アナタに分かる?」


涙はどこまで流せば枯れるのだろうか?

もう泣きすぎて頭が痛い

くらくらする思考回路の中、私は溜まっていた言葉を吐きだした


「ごめん……俺がちゃんと早く確かめれば良かったんだ……」


そう言って彼は再び私を抱きしめた

今度は先ほどよりも優しく、でも力強く私を抱きしめた


「じゃあここから始めよう……俺は美月が好きです。そばにいてくれますか?」


< 22 / 30 >

この作品をシェア

pagetop