雪と涙とアナタと~CASE2~
懸命に懇願する私の言葉を無視して、会話を進めていく彼


「へ~中村さんね。ごめんね、俺のせいだから。美月は怒ってあげないでね」


そう言うと彼は私にケータイを向けて、ニッと笑った


「中村さんが美月に代わってって」


彼の手からケータイを奪い返すと、私は慌てて耳にケータイを近づけた


『ちょっと!!彼氏!?なんか色々聴きたい事あるんだけど、今はお取り込み中っぽいから、明日カラオケしながら聴こうかな?』


『めちゃくちゃ今歌いたい気分だから!』そう言って、軽く時間を決めると私たちは電話を切った


「ちょっと!!絶対亜祐美に気がつかれた…」

「ん~?何が♪」


分かっているくせに、彼は惚けたふりをする


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