雪と涙とアナタと~CASE2~
時刻は夜中の10時を回っている

布団と肌のすれる音と、突然出てきた男の声に、いくら亜祐美でも察しがついていそうだ


「恥ずかしい……」


そう呟くと、彼は不思議そうに首をかしげた


「さっきもっと恥ずかしい事してたじゃん」

「バカ!!言わないでよ!!!」


そう言う私に、彼は優しいキスを落とした

それだけで私の気持ちはあっさり晴れ模様

良いか、どうせ亜祐美にはすべて話すのだから

明日が待ち遠しい

彼女の声は何かを吹っ切れたように清々しかった

その理由は明日になればきっと分かるだろう

これにて本当に、私の卒業式は終了


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