雪と涙とアナタと~CASE2~
その度に何度胸が締め付けられるような想いをしただろうか?

苦しくてしょうがない

でも、それでも

一哉を好きな私は、律儀に彼の相談にのってしまっていた

そうやって過ごし、私たちが高校生になった頃

彼は有名な進学校である学校へ、私は近くの公立高校へと通う事になり、接点と言えば本当に女の子の相談のみとなってしまっていた

そうやって質問を受ける度に、私は心がまた壊れていくような気がした

ある日、いつものように彼がベランダを越えて、嬉しそうに私に言葉を発した


「美月のおかげで、前から言ってた子に、今日OKもらったんだ!!」


それはとても無邪気な顔で、とても幸せそうな笑顔で

だから私は強張りながらも「よ、よかったね」としか言いようがなかった


「今度何かお礼に奢るな♪」


彼はそう言うと、再びベランダを通り抜けて自分の部屋へと帰って行った


< 3 / 30 >

この作品をシェア

pagetop