雪と涙とアナタと~CASE2~
その姿を確認した私は、すぐにカーテンを閉めると、誰にも見られないように布団に潜り込み、声を押し殺して泣いた

もうこれ以上なんてないほど、胸が痛んで苦しかった

あぁ、これで一哉はもう私にかかわる事はない

そう思いながら私は涙が枯れるまで泣き続けた

この時は、この胸の痛さにこれ以上なんてないと思っていた

それはとても甘い考えだったのだと思い知らされたのは、それから1週間も経たなかったある日だった

その日は放課後、誰だか知らない人に呼び出された日だった

時々あるこういう出来事

下駄箱に手紙が入っていたり、教室まで来てそのまま呼び出されたり

そうして向かった場所で言われる言葉はただ1つ


「好きです」


という言葉

私が、もうどう頑張っても言う事の許されないその言葉を、彼らは私に向って放つ

私ももっと早くこうやって一哉に打ち明ければよかったのだろうか?

そう思っても、もうどうにもならないのだけれど………


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