指先からの恋物語



屋上に連れて来られたあたし


秋ということもあり

風がほんのり冷たい



「寒い?」


「別に?
 で 何で屋上に来たの?」


「爪だして
 左手の薬指」





あたしは詳しい理由も聞かずに

優真の前に手を差し出した


すると優真はズボンのポケットから
 
ピンク色のマニキュアを取り出した




「うん 結構綺麗だな」


「何が?」


「まぁ 見てろって」




そう言うと優真はあたしの爪に

マニキュアを塗り始めた



「何してんの!?」


「動くな!
 ずれるだろ」




ずれるだろって・・・


付け爪じゃないから

校則違反になっちゃうじゃん!!











「うっし!
 出来たぜ?」






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