指先からの恋物語





あたしの左手の薬指の爪には

一つのハートが描かれていた




「何コレ」


「俺の気持ちと
 今日頑張れっていう応援♪」


「ふーん
 なんか ありがと」


「あと言っとくけど
 俺は好きなヤツにしか
 ハートは描いてやんない主義だから」


「そうなんだ」







って 今なんて言った?




『好きなヤツにしか・・・』





あたしはもう一度爪を見る



そこにはピンクのハート




え?え?


ヤバイ パニくってる・・・





「そういうことだから」





そう言うと優真は屋上を出て行った








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