指先からの恋物語



「兄貴もネイルアートが好きで
 昔からやってたんだ

 俺は小さいときからその練習台みたいな?
 で いつからか俺も興味をもって
 今こうして練習してるって訳」




「ふーん
 そうだったんだ」


「で この店は
 兄貴の店」


「えっ!そうなの!?」





・・・・ただのアシスタントかと

思っちゃったよ・・・





「カットして 注文があれば
 ネイルもやってるんだぜ?」


「そーなんだ」






すると 多田はニコっと笑って



「俺 ネイルアーティストになるのが
 将来の夢なんだ♪」





ズキンッ・・・・



《将来の夢》





コイツはちゃんと夢もってんだ


てっきり もってないかと思った・・・





「別にネイル専門じゃなくていい
 兄貴みたいに美容師やりながらでもいいし」








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