指先からの恋物語



あたしの腕を誰かが掴んでる



「何すんだ・・・」


「葵?!
 どうしたんだよ!?」






顔を見たら誰かとすぐにわかった



そう 今説教から解放され

教室に向かっている途中だった


あたしの大嫌いな




多田だった








「ゴメン
 放して・・・」


「なんか あったんだろ?
 話してみろよ?」






話す?話さない?







「話せよ」


「・・・・ゴメン
 今は 話せない」


「じゃあ どこに行くのかだけ
 俺に教えろよ・・・」


「・・・屋上」


「わかった
 落ち着いたら戻ってこい」






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