指先からの恋物語



ちょっと前にかがむだけでも

パンツが見えそうなぐらいのスカート



胸元なんて 思った以上に

開いてるし・・寒いし・・




「仕上げはこのウサ耳!」




そう言って唯奈は紙袋から

白いウサ耳のカチューシャを取り出した



そしてあたしに渡す




「さあ 被って!」


「・・・・・・」





・・・・被りましたよ



あ゛ー!


気持ち悪ぃ・・・


あたしがこんなの似合うわけないし


それにこんな姿で外で客の呼び込み?




ふざけんなー!!!






「葵 チョー可愛い♪
 あたしが男なら惚れてるね」


「惚れんな!」


「だって可愛いんだもん
 ホラ みんなみ見せに行こ☆」


「みんなって?」


「クラスのみんなだよ
 ホラ 行くよ」






グイッ




唯奈はあたしの言葉なんて聞かずに

あたしの腕を引っ張って

更衣室を後にした





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