指先からの恋物語




コンコン



ガチャ




「よっ!
 練習はかどってるかぁ?」


「兄貴か
 どう?結構腕上がっただろ?」







どれどれと言いながら修さんは

あたしの爪を見下げる




「いいんじゃね?
 もう少しココとかの色を
 変えてもいいかもな」


「マジ?
 じゃあ次はそうしてみるな」


「おう 頑張れ
 我 弟よ!!」






そう言って出て行く修さん





一瞬だったけど

あたしの爪を見てるときの目



・・・プロの目だった





いつもはほんわかしてて

優しい修さんだけど


一瞬だけ・・・



まるで別人みたいだった







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