旦那様は高校教師


学校へ着くと、祐奈と詩織が話し掛けて来る。



「元気がないけど、何かあったの?」



「ううん、何にもないよ」



祐奈の問いに、私は嘘を付いてしまった。



本当は昨日の出来事と今朝の伯母さんの話を、2人に相談したい。



聞いてもらいたい。



けど、さすがに言えない。



プロポーズされたなんて言ったら、きっと大騒ぎになる。



自分で考えて、答えを出すしかないんだよね。



心が晴れぬまま、朝のホームルームが始まった。



「·····南条。南条ほたる」



「あっ…はい!!」



出欠を取る先生の声に、敏感に反応してしまう。



一瞬、体がビクッとなり胸も高鳴る。



私はこんなにドキドキしてるのに、どうして先生は普通でいられるの?



やっぱり昨日のアレは、本心じゃなかったって事?



もう一度きちんと話したい。



私はホームルーム終了後も、先生と話すチャンスがないか考えた。





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