旦那様は高校教師
先生のアパート
夕方、次郎を連れ早目の散歩へ出た。
いつもは誰も居ない静かな公園。
でも今は、子供達の笑い声が溢れていて凄く賑やか。
先生が来るまで何処に居よう…。
ベンチにしようかな…。
其れとも、滑り台の近くが良いかな?
公園で会う約束はしたけど、何処で待っているかまでは言わなかった。
ハアーッ、失敗しちゃっな…。
先生が直ぐ見付けてくれそうな場所を求めて、公園内を歩き回っていると、次郎が突然走り出す。
「ワン!」
「次郎どこ行くの?待って~」
私の手からリードが離れ、次郎は脇目も振らず一直線に走る。
私はその姿を見失わないよう、必死に後を追った。
次郎は木陰の下で立ち止まり、其処に居た人に頭を撫でられ喜んでいる。
良かった、此れで次郎に追い付ける。
私は呼吸を整えながら、其処へ急いだ。
あっ…先生!?
木陰に居た人は、紛れもなく先生その人だった。