旦那様は高校教師
星を見ながらいつも思う。
“ 私は何の為に生まれて来たの? ”
“ 何を支えに生きていけば良い? ”
“ どうすれば楽に星になれる? ”
“ お父さんお母さん、どうして私1人を置いて逝ったの?早く迎えに来てよ ”
“ 疲れちゃった…。もう限界…。 ”
私の泣ける場所は此処だけ。
どんなに辛くてもあの家に帰らなければいけない。
此のまま時間が止まってしまえば良いのに…。
何度も何度もそう思った。
「そろそろ帰ろうか」
滑り台を降り、リードに手を掛けた途端、次郎が威嚇する様に突然吠え出す。
「ヴワン!ワンワン!!」
えっ、何!?
急にどうしちゃったの!?
ビクビクしなが、次郎が見つめる入り口の方へ目を移すと、人影がゆっくりと此方へ近付いて来る。