旦那様は高校教師
「せん…せい…私…何の為に…生まれて…来たの…かな?」
どんなに悩んでも解決しない、私の中の疑問が口を滑らす。
先生を困らせるような質問かも知れないけど、星野先生なら何かを教えてくれそうな気がした。
「それはね、幸せになる為に生まれて来たんだよ」
先生は体を屈め、私の涙をそっと拭う。
幸せになる為…?
こんな私でも、幸せになりたいと望んで良いの?
「乗り越えられない試練なんてない。いつかきっと生まれて来て良かったと思える日が来る!」
先生が私の手を優しく握ると、繋いだ所から熱い心が身体の中へと流れ込む。