旦那様は高校教師


心ちゃんは席を立つと、ウェイターさんに私達の思いを伝え、お皿とナイフを借りてきてくれた。



皆さん、初めは凄く遠慮していたけど、心ちゃんが説得してくれたの。



笑顔溢れる皆さんの顔を見ながら、私もケーキを口へと運んだ。



「ほたる、此れは俺からの誕生日プレゼント」



ケーキを食べ終わると、心ちゃんが小さな紙袋を私の前に置く。



其の中身は携帯電話だった。



えっ…良いのかな!?



ショッピングモールでも沢山買って貰ったのに、プレゼントまで…。



「ん?気に入らない?」



心ちゃんはチョット不安そうな顔をする。



「良いの?貰っても…」



「当たり前だろ?其れに俺の番号とアドレスはもう登録してある…」



心ちゃんは照れながら頬っぺたを掻く。



「有り難う、心ちゃん」



私は小さな紙袋を握りしめ、喜びの笑顔を向けた。



今日は生まれて初めての経験を沢山した。



入籍·お花畑で結婚式·キス·誕生日のお祝い…。



今度はどんな初めてが待っているのかなぁ~♪





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