旦那様は高校教師
チーン!!
タイムリミットの音が鳴る。
どうやらパンが焼けたようだ。
「心ちゃん、パンが焼けたよ?温かいうちに食べよ?」
其の声に俺は漸く抱擁を解いた。
ほたるが皿にパンを乗せてる間、俺はコーヒーをカップに注ぐ。
そしてテーブルに並べ、2人でパンにかじりついた。
1人暮らしをするようになってから、殆ど朝食を摂ってない。
けど2人でなら、パンでさえもこんなに美味しく感じるんだなぁ~。
「ほたる、食べ終わったら出掛けるぞ?」
「へっ?何処へ行くの?」
コーヒーを飲むほたるの動きが止まる。
「俺の実家」
「えーっ!?何だか緊張しちゃうな…」
ほたるは驚いた顔をしていたが、何だか楽しそうにも見えた。