旦那様は高校教師


「あっ…」



フワッと風が吹き、ひらりと桜の花びらが舞い落ちる。



街路樹は目を奪う程、華やかな桜を咲かせ、それらは暗闇を照らす太陽のように輝いて見えた。



今日から私は高校生となる。



気持ちを切り替え、桜いっぱいの道を歩き始めた。



桜並木を抜けた先に見える、白く輝く高校の校舎。



ここから新生活がスタートする。



楽しい高校生活を過ごしたいなぁ。



不安と期待を胸に抱き、私は門をくぐった。



昇降口前の掲示板で自分のクラスを確認した後、教室へと歩みを進める。



ドキドキしながらドアを開けると、あちこちからはしゃぎ声が聞こえていた。



キラキラ輝くクラスメイトを少し羨ましく思いながら、自分の席に着くと後ろから可愛い声が飛んで来る。





< 2 / 743 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop