旦那様は高校教師
「最後に3つ目。南条が縁した人、つまり今まで出会った人、此れから出会う人を好きになる事!」
えっと…それは…もしかして伯母さんの事を指しているのかな?
もしそうだとしたら絶対に無理だよ!?
伯母さんの事を好きになるなんて…。
私の心の声が聞こえたのか、先生は更に言葉を続ける。
「相手がどんな人でも南条の中で此の人は嫌いだと思えば其れが伝わり、相手も南条を嫌いだと思う」
私の気持ちが相手に伝わる?
そんな事考えた事もなかったなぁ。
「時間は掛かるかもしれないけど、まずは苦手だと思う人を好きになる事!!」
う゛……。
先生には簡単な事かも知れないけど、私にとっては凄く難しいよぉ。
苦手だと思う相手に対し、どう気持ちを切り替えれば良いのか分からない。
私にはハードルが高すぎます!
だけど先生が言うように、相手の良い所を1つでも見付ければ、何かが変わるかな?
「俺との約束守れそう?」
う゛ん…ちゃんと守れるかチョット自信はないけど…。
「チャレンジします!」
私は力強くそう答えた。
「良し!!じゃぁ、指切り!」
先生が差し出した小指に、私はそっと自分の小指を絡ませた。