旦那様は高校教師


「私達はほたるちゃんの事を本当の娘だと思っているの。だから気を遣ったり嫁だから…って思ったりしないでね♪」



「はい…」



星野家はとても暖かく、思い遣りと笑いが溢れる家庭だと思う。



だけど、私の不安はまだまだ消えない。



こういう光景は、親戚の家を点々とする度に見てきた。



初めは凄く優しいのに、段々と邪魔者扱いされる。



いつも裏切られたような気持ちになり、何処まで信用したら良いのか分からない。



だから、まだ心の底から喜べない自分が居た。



「心矢、もう夏休みに入ったんだろ?だったら明日から頼むよ」



「あぁ……うん………」



お父さんの依頼に、心ちゃんは乗り気ではない返事をする。



明日から頼むって、一体何の事かな?



2人の会話の意味が、私には理解出来ない。





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