旦那様は高校教師


「ほたるには無事に卒業して欲しいから、“星野”ではなく“南条ほたる”として働いてもらう…」



………?



あっ!!また忘れてた。



そう言えば、南条から星野に名字が変わったんだよね。



『星野ほたるです』と自己紹介する事がないから、つい忘れがちになる。



何時かは違和感もなく『星野です』と言える日が来るかなぁ~。



「俺と結婚している事が、周りの者に知られる事がないようにしてくれよ!」



「あぁ分かった…約束しよう…」



何だかお父さんの元気が無くなった。



都合が悪い事でも有るのかな?



「ハァーッ…。ほたるを娘だと自慢したかったな…」



お父さんは独り言の様に呟いた。



「父さん!!其れだけは絶対にしないでくれよ!!」



初めて見る強い口調の心ちゃん。



私の事を守ろうと必死なんだ…。



ごめんね、私が生徒なばっかりに…。





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