旦那様は高校教師
私達は、人には言えない秘密の関係なんですよ?
お母さんは、迷惑だとは思わないんですか?
「心矢とほたるちゃんの秘密を共有できて嬉しい♪私も秘密の恋をしてみたかったわぁ~。ねぇ、矢(タダシ)さん♪」
屈託のないお母さんの笑顔が、暗く沈みかけた私の心に灯りをくれる。
お父さんが暖かい人なら、お母さんは前向きな人。
そんな両親に育てられたから、心ちゃんは優しくて思い遣り溢れる素敵な人に育ったんだね。
もしも…もっと早く心美(トモミ)お母さんに出会っていたら、私は違う自分になれたのかな?
「心矢、ほたるを連れて一度会社へ行ってみたらどうだ?どんな仕事か見ておくのも良いだろう」
「其れは良いけど…何処を手伝ってもらうんだよ?」
心ちゃんの質問に、お父さんは黙り込む。
「……売店はどうだ?」
売店!?私は其処でお手伝いをするの?
良し!どんなお仕事しているのか、確り見なきゃ!!
初めてのお手伝いに力が入る。