旦那様は高校教師
初めての授業
翌日、星野先生の初めての授業があった。
どんな授業をするのかな♪
何だかワクワクしちゃう♪
チャイムが鳴ると、教科書を片手に先生が教室へ入って来る。
「授業始めるぞー。今日は英語で自己紹介してもらう」
「え、英文苦手」
「日本語じゃダメですか!?」
先生の声に教室内が少し騒つく。
「英語の授業だから、自己紹介は英語!でも分からない事は周りと相談しても良いぞ」
最後の言葉に安心したのか、徐々に教室が静かになっていく。
自己紹介文、何て書こう…。
自分の事を話すなんて、凄く苦手。
地味な私には、人様にアピール出来る様な事なんて何も無い。
どうしよう、何て紹介すれば良い?
アレコレ思考を巡らせ、まずは日本語で文を書いてみた。
ん、こんな感じで良いかな?
さてと、次は英文に直さなくちゃ。
辞典に手を伸ばすと同時に、後ろの席の祐奈がツンツンと私の背中を突く。
「祐奈?どうしたの?」
私は辞典から手を離し、静かに振り返った。