旦那様は高校教師
此処で素直にキッチンを離れたら、私に成長も進歩もない。
お父さんもお母さんも『娘』と言ってくれたけど、私は『嫁』。
『娘』でも『嫁』でも料理は覚えたい。
「朝は時間がないから、夕飯を一緒に作りましょう♪」
「はい!!」
ニッコリ微笑んだお母さんの顔が心ちゃんとそっくりで、私も其れにつられた。
心ちゃんはずっと此の微笑みを見て育ったから、同じように優しい笑みをするんだね。
いつか私もお母さんになったら、暖かくて優しい顔を見せられるかなぁ。
「ほたるちゃん、テーブルに運んでもらえる?」
「はい!」
私はお母さんが作ってくれた朝食をテーブルに並べた。
するとその匂いに誘われてか、ソファーで眠っていた心ちゃんが目を覚ます。
「う~ん、いい匂いだ」