旦那様は高校教師
「心矢!?そんな所で寝てたの?」
お母さんは目を丸くして驚いていた。
其れもそうだよね…。
夫婦なのに別々で寝てるんだもん。
誰だって驚くよね。
「私、矢(タダシ)さんを起こしてくるから…」
気を遣ったのか、お母さんはいそいそとリビングを出て行った。
「おはよう」
寝起きで、トーンが低い心ちゃんの声に胸がドキッとする。
「おはようございます」
私はお皿を並べる手を休め、心ちゃんに挨拶をした。
すると、幸せそうに目を細めた心ちゃんは、ゆっくり起き上がるとキッチンへ入って来る。
そして、私の左手を握ると薬指のリングを外した。
えっ!?何???
其れ結婚指輪だよ?
突然の事に、私は呆然と立ち尽くす。