旦那様は高校教師
「さっきはお客さんが多くて、大変だったろ?」
「う…ん……。ただ袋に商品を入れる事しか出来なかった…」
ほたるは作業する手を止め、しょんぼりした顔を俺に向ける。
おいおい、そんな顔するなよ!
抱き締めて、慰めたくなるだろ!?
俺は拳を握り、グッと感情を押さえた。
「昼休みは何時から?」
「ん分からない…」
ほたるは小さく首を振る。
「白木さん、南条を休憩に連れて行っても良い?」
近くで、同じ様に陳列作業をしていた白木さんに許可を求めた。
「良いですよ」
快く白木さんが受け入れてくれたので、俺はほたるを外へ連れ出した。
「先生、何処行くの?」
ほたるは人目を気にして、名前ではなく『先生』と呼ぶ。
「行き先は…内緒」