旦那様は高校教師


『有り難うございました。とても助かりました』



深々と頭を下げながら営業スマイルとは違う、心からの笑顔が向けられる。



其れを見て、俺は手伝いに来て良かったと思った。



「白木さん、ほたるに有り難うって言わなかったか?」



「うん…言ってくれた…」



ほたるは俯いたまま答える。



「白木さん自身は、心から有り難うって思ってる。此れからは其の有り難うに答えれば良いんじゃないか?」



「うん…。分かった…」



微かではあったけど、漸くほたるが笑った。



「其れじゃぁ、戻るとするか!!」



「はい」



俺達は車に乗って会社へと戻った。



ほたるが頑張ってる姿は、俺がちゃんと見てるからな!



困った時は助けに行くし、いつでも守ってやる!!



だから笑顔で頑張れ!!



俺は売店へ向かうほたるの後ろ姿にそう投げ掛けた。





心矢目線 END
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