旦那様は高校教師
「学校での先生は…優しいです。凄く人気があり、各学年に数人は先生の事を好きだって人が居ます…」
心ちゃんの良い所は他にもイッパイある。
沢山の人に慕われ、キラキラ輝く眩しい人。
心が暖かく、幸せをいっぱいくれる人。
でもそんな事を言ったら、私が心ちゃんに恋してる事がバレちゃうから言えないね。
「へぇ~学校でもそうなんだぁ。此処でも心矢さんの人気は凄いよ。何せ社長の息子だし」
何気ない戸川さんの発言に、私はちょっとムッとした。
だって最後の『社長の息子だし』
其れって肩書きが人気って事でしょ?
心ちゃんが社長の息子じゃなかったら、皆は興味ないの?
私も学校の皆も、心ちゃんが社長の息子だって事は知らずに恋をしてる。
外見や肩書きは、恋するのに必要な事とは思ってない。
大人社会はそうじゃないの?
私が子供なだけ?
「心矢さんは結婚したのかな?指輪してたでしょ!?」
私の感情は気付かれる事なく、今度は村瀬さんが呟く様に言葉を発する。