旦那様は高校教師
「…あの2人よりが戻ったのかな?」
戸川さんの視線の先には、楽しそうに話をする雪子さんと心ちゃんの姿があった。
イヤ…離れて!!
そんなに近付かないで!!
心ちゃんは私の旦那様だよ!?
2人の恋はもう終わったんでしょ!?
なのにどうして今も親しくするの?
分からないよ。
2人の事も、自分の中にある醜い心も…。
私はどうすれば良い?
誰か教えてよ…。
行き場のない感情と心の叫びを、私は胸の奥へ押さえ込んだ。
「南条さん大丈夫?顔色が悪いよ?」
心の中の自分と葛藤をしていた私に、戸川さんの声が入って来る。
「大丈夫です。何ともありません」
私は平気なフリして笑って見せた。