旦那様は高校教師
18時で私のバイトは終了する。
「南条さんお疲れ様。悪いけど此れ、お客様の忘れ物なの。帰りにフロントへ届けてくれる?」
白木さんはレジの下の棚から帽子を取り出す。
「はい分かりました!明日も宜しくお願いします。お疲れ様でした」
私は落とし物を受け取り、まず事務所へ向かった。
タイムカードを押した後、こっそりフロントを覗いてみた。
「お疲れ様」
私に気付いた心ちゃんは、笑顔で歩み寄る。
「お疲れ様です。此れ落とし物です」
私は白木さんから預かった帽子を手渡した。
「有り難う。俺ももうすぐ終わるから、車で待っててくれる?」
帽子を受け取ると、心ちゃんは小声でそう言い、ポケットからキーを取り出す。
私は其れを貰い、1人で駐車場へ向かった。