旦那様は高校教師
周りには誰も居ないよね?
会社とは言え、こんな所を誰かに見られたら絶対に問題になる。
只でさえ心ちゃんの教え子ってだけで珍しがられてるのに…。
用心に用心を重ね大丈夫だと確信した後、車に乗り込んだ。
だけど、座席に座っていると目立つ為、私は足元にこっそり身を隠す。
心ちゃんが来るのを待っている間、頭に浮かんだのは今日の会話。
心ちゃんと雪子さんの過去の話…。
気にしちゃダメ!!
そう思いたいけど、楽しそうに話していた姿を思い出すと心がざわつく。
恋って苦しいな…。
「お待たせ」
車に乗り込んだ心ちゃんは、ちょっと驚いた顔をする。
「ほたる…ずっと其処に隠れてたのか?」
「うん…。誰かに見られるといけないから…」
私は足元にしゃがんだまま、顔だけ上げた。