旦那様は高校教師


「じゃぁ、また後でね♪」



戸川さんは手を振りながら倉庫を出て行く。



ドアが閉まると自然に溜め息が漏れた。



ライバルかぁ……。



余り深く考えた事なかったなぁ。



きっと此処にも心ちゃんの事を好きな人が他にも居るはず。



けど雪子さんが怖くて皆、心に秘めているだけ。



恋心を雪子さんに悟られたら、何をされるか分からないからね。



…もしかしたら私は、雪子さんに感謝しないといけないのかな?



此処では、雪子さんが心ちゃんの事を好きなんだって強くアピールして、他の人を近付けたりしない。



だから心ちゃんは告白される事もないし、相手の気持ちを知らないまま。



けど学校には雪子さんみたいな人が居ないから、いつ誰に告白されるか分からない状況。



きっと学校が始まったら、嫉妬や不安だって今より沢山あると思う。



雪子さんに対して嫉妬はあるけど、他の女性の存在に不安を感じずに済んでる。



だから私は、雪子さんに感謝します。





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