旦那様は高校教師


「静かにしろ!!」



心ちゃんの一喝で、教室内は一瞬で静かになる。



其れから何事もなかったかの様に、朝のホームルームが始まった。



「市川」



「はい」



「浦田…」



「はい」



心ちゃんが出欠を取り始めると、また教室内は騒がしくなる。



「嘘…マジで!?」



「イヤ私ショック…」



嘆きとも言える声が飛び交う。



其の原因は、心ちゃんの左薬指。



マリッジリングが太陽の光を受け、自慢気に輝いているから。



「先生、いつ結婚したの!?」



「奥さんってどんな人!?」



「名前は何?」



「年は何才?」



沢山の質問が心ちゃんへ向けられる。



でも心ちゃんは何も答えずホームルームを続けた。





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