旦那様は高校教師
「どうするって?」
「先生結婚したんでしょ?此のまま諦めるの?」
あっ…其の事?
ずっとね、どう答えたら良いのか考えてたんだぁ。
「先生の事は諦め…ない…」
私は俯き加減に答えた。
もし心ちゃんが他の人と結婚したとしても、私はずっとずっと好きでいると思う。
簡単に諦める事が出来るのなら、私は好きになんてなってない。
「簡単に諦められないのが恋だもんね♪」
詩織の優しい目が私を捕らえる。
「2人共、先生の事を忘れなさいって言わないの?」
世間的に既婚者を好きになったら『諦めなさい』と言う。
だから私が『諦めない』と言ったら、2人は当たり前の事を言うと思ってた。
「誰かが『諦めなさい』『もう忘れなさい』と言っても、直ぐに心は変わらないでしょ?」
「うん…」
確かに詩織の言う通り、誰に何と言われても気持ちは変わらない。