旦那様は高校教師
夏休み後半
登校日の翌日からは、またバイトが始まる。
「ほたるちゃん、明日この近くで夏祭りがあるんだけど、俺と一緒に行かない?」
休憩時間や昼休み、必ず岡本さんが売店へ来て遊びに行こうと私を誘う。
「私には大切な人が居ます。…だから行けません」
そう何度も言っているのに、岡本さんには通用しない。
「別に男がいたって俺は気にしないよ?恋人同志になれなくても、友達として付き合ってくれれば良いんだ」
岡本さんはニコニコ愛想を振り撒く。
友達としてって言われても、困るよ。
誰にも相談出来ないし、どうしたら良いの?
「よぉ!保。俺の大事な生徒を口説いてるんじゃないだろうな?」
怖い顔をした心ちゃんが売店へ駆け付ける。
う゛…怒ってるよね…。
ごめんなさい…私もどうしたら良いのか分からないの。
「俺、口説いてないですよ」
岡本さんは白々しい態度をとる。
「ホントか!?」
心ちゃんは疑わし目を向け、慌てる岡本さんの頭をグリグリした。