旦那様は高校教師


隣に誰か居るのは初めてじゃないけど、緊張する。



目が冴えて眠れない。



ほたるはもう眠りに就いただろうか…。



俺は体勢を変え、無理矢理目を閉じた。



其の時偶然、手と手が触れ、ビクンとほたるの体が大きく反応する。



起きてたのか…。



「大丈夫。何もしないよ…」



んでもちょっとだけ…。



俺はほたるの頭の下に腕を通し、抱き締めた。



勿論、其れ以上の事はしない。



暫くの間ほたるの体は強張っていたが、何もしないと分かると寝息を立てて眠りに落ちる。



だから俺は何もしない。



ほたるの心の準備が出来るまで、いつまでも待つよ。



今はただ、抱き締めるだけで良い。



其れだけで俺の不安は消えるから…。





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