旦那様は高校教師
すっかり日も暮れた頃、両親に報告をする為、私は次郎を連れ公園へと向かった。
『お父さんお母さん、生きていれば良い事だってあるんだね♪』
1日を振り返り心の中で話し掛けると、其れに答えるように星がキラリと光を放つ。
『お父さんお母さんもそう思う?』
キラキラッ。
『お婆ちゃんも?』
キラキラキラッ。
フフフッ♪まるで4人でお話ししてるみたいで楽しい♪
数日前迄は、こんな気持ちになれる日が来るなんて想像もしてなかった。
先生のお陰だね。
「こんばんは、やっぱり居た」
上機嫌で星を見ていたら、先生の声が小さく届く。
ドキン!
たった今考えて居た人の声が聞こえ、一瞬空耳かと疑った。
でも眼下には先生の姿がある。
あっ、本物だぁ。
「先生こんばんは」
私は滑り台を降り、先生の傍へ駆け寄った。
「良かったらコレどうぞ。夕飯あんまり食べてないんだろ?」
先生は私の手におにぎりを持たせる。
「あ…有り難うございます。でもお昼も交換してもらったのに…」
先生の顔とおにぎりを交互に見ながら、私は躊躇してしまう。
「気にするな!昼は本当に体調が悪かったんだ」
先生は軽くお腹を擦るけど、チョッピリ目が泳いでいた。
フフッ♪先生って嘘が付けない人なんだね。
また新たな先生を発見しちゃった♪