旦那様は高校教師
「俺、次郎と遊んで来るから南条は其処のベンチで其れ食べてて」
「あ…はい……」
先生に促され、結局おにぎりを食べる事になってしまった。
私がベンチに座ったのを確認すると、先生は鉄棒から次郎のリードを外す。
「よぉし!次郎走るか!!」
リードを持ったまま先生がゆっくり走り始めると、其れに合わせて次郎も走る。
何だか先生も次郎も楽しそう♪
私はおにぎりを食べ終わると、微笑まし気持ちで其の光景を見つめた。
「次郎こっちこっち」
リードを手放した先生は、突然私の方へ駆けて来る。
逆方向に走っていた次郎は『しまった!!』と言わんばかりに先生の後を追い、あっという間に追い抜いてしまった。
「ハーッ…やっぱ次郎には敵わないな」
少し乱れた呼吸を整えながら、先生はドカッとベンチに座る。
だけど、次郎はまだ遊び足りないようで、先生の足に的割りつく。
「分かった分かった、良し!!もう一回」
次郎の頭を撫で、ニッと笑った先生は再び公園内を走り出す。
何だか運動会みたいで、見てるだけでも楽しくなっちゃう♪
私は時が過ぎるのも忘れ、先生と次郎に釘付けになっていた。