旦那様は高校教師
「ねぇ屋上へ行ってみない?」
詩織は今にもスキップしだしそうな位、弾んだ声を出す。
「うん♪行く~」
私と祐奈は、詩織の提案に大賛成。
昼食が済むと3人で屋上へ登った。
そよそよと吹く春の暖かい風がとっても心地良い。
こんな日にお昼寝したら気持ち良いだろうなぁ~。
春の日差しにうっとりしていると、詩織が思いもよらない言葉を発する。
「ほたるはさ、星野先生の事どう思ってるの?」
「えっ!?ど…どうしたの?突然…」
突拍子もない質問に、私は戸惑いを隠せない。
「深い意味はないんだけど、ほたるは先生の事どう思ってるのかなぁって…」
「どうって……な…何とも思ってないよ?」
本当の所は自分でも良く分からない。
まだ恋をした事がないから、そういう感覚を私は知らないの。
唯一分かる事は、星野心矢と言う人は教師であり、私の担任。
そして先生にとって、私は多くの生徒の1人だって事。
この先もしかしたら、先生に憧れを抱く事があるかも知れないけど、其れは恋と呼べるの?
私の周りには、星野先生が好きだと言っている人は沢山居る。
まさか詩織も、其の中の1人なの?