旦那様は高校教師
第6章 秋(9月)
部活
高校生活初めての夏休みは、バイトで終わってしまった。
言葉の響きとしては聞こえが悪いかも知れないけど、私にとっては凄く有意義な時間だった。
人との出会い·関わり、働く事の大変さ…。
学校では学べない事を経験出来た、貴重な夏休みだったと思ってる。
ただ一番恐れていた雪子さんとのトラブルは、あの時だけでちょっと拍子抜け。
でも内心、何もなかった事にホッとしてる。
平和が一番だもんね♪
新学期が始まり、私達の1日もアパートから始まる。
夏休み中、ずっと実家で過ごしていたから、静かで寂しく感じてしまう。
けど幸せな時間は変わらない。
「心ちゃん、先に出るよぉ?」
私は玄関で心ちゃんに声を掛ける。
「あっ、待て!!俺も、もう出る」
ドタバタ音を立てながら、心ちゃんは慌てて階段を降りて来た。