旦那様は高校教師


「また後でな!学校で待ってる」



サッと唇が離れると、心ちゃんは軽く私を抱き締める。



「気を付けて…」



私は心ちゃんに見送られ、駅のホームへ向かった。



心ちゃんは私が電車に乗るまで車で待機し、電車が発進すると横に並ぶように車を走らせる。



私は其れを電車の窓から、ずっと見ていた。



あっ、心ちゃん欠伸してる♪



フフッ♪手を振ってる♪



私も手を振っちゃお♪



私達はお互いの姿が見えている間、小さなジェスチャーをして楽しんだ。



でも電車の方が速いから、途中で心ちゃんの車を追い越してしまう。



其れでも私は、ずーっと外を見続けた。



最寄り駅からは歩いて学校へ行く。



門を入って直ぐに職員駐車場があり、其処には既に心ちゃんの車が停まっていた。



きっと私がモタモタ歩いてる間に着いたんだね。





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