旦那様は高校教師
「詩織は…星野先生の事が…好き…なの?」
少し複雑な心境で、ベンチに座る詩織に訪ねた。
お願い、詩織!好きとは言わないで!!
私は目を堅く瞑り、耳だけ集中する。
「私は隣のクラスの栗山純一君が好きなの♪でも彼女が居るって噂…」
詩織は大きな溜め息を吐く。
好きな人、先生じゃないんだ!?
でも詩織の好きな人には彼女さんが居る。
其れは、凄くショックだよね。
こんな時は、何て声を掛ければ良いのかな?
アレコレ悩みながらゆっくり目を開けると、詩織と視線が交わる。
「私に好きな人が居ると分かって安心した?」
詩織はニヤリとした笑みを浮かべる。
「そ…そんな事ないよ?」
私は慌てて否定したものの、心の何処かでホッとしている自分が居る事に気付いた。
………ん?
あれっ?何でホッとするの…?
不可思議な自分の感情に、私の頭は?で埋め尽くされていた。