旦那様は高校教師
「誰かに想われるって良いよねぇ」
空を見上げたままポツリと呟いた祐奈の顔もニヤニヤ笑っていた。
絶対にそんな事はないと分かっているのに、何故か顔が火照り出す。
「先生が私を好きなんて事、絶対にないよ!私の家庭の事情を知って心配しているだけ…」
「家庭の事情?」
思わず口を突いた私の言葉に、興味深そうな2人の視線が向く。
あっ!しまった!!
どうしよう…私にはまだ話す勇気がない。
一層の事、惚けてみる?
それとも誤魔化す?
だけど、心配そうな顔を浮かべた2人を見たら、どちらも出来そうにない。
こうなったら話すしかないよね?
大丈夫!!2人とも私を嫌いになったり離れたりしない!
私は自問自答を繰り返した後、意を決し両親を亡くしてからの事や今の家での暮らし等を話す事にした。