旦那様は高校教師
「お前ら!!後輩苛めしてんのか!?廊下まで筒抜けだぞ!?」
勢い良くドアが開き、心ちゃんが駆け込んで来る。
「い…苛めなんかし…してませんよ…」
しどろもどろになりながら、先輩達は小さくなる。
「俺は、苛めは絶対に許さないからな!!」
心ちゃんは先輩達の前に立ち、1人1人に視線を移す。
「人を傷付けて平気な顔をしている奴、俺は嫌いだ!!自分がされて嫌な事、言われて傷付くような事は絶対にするな!!」
学校では初めて見せる、強い口調と怒った顔の心ちゃん。
皆、驚いた顔をして目を丸くしてる。
私…此の顔知ってる。
前にも見た事ある。
其れは…岡本さんに対して見せた時。
私から岡本さんを離そうと、必死だったあの時に見せた顔と似てる。
もしかして…私を先輩達から守ろうとしているの?
有り難う…心ちゃん。
私は大丈夫だよ?
ほんの一瞬だけ心ちゃんと目が合い、私は小さく微笑んだ。
心ちゃんは優しい笑みを返し、最後にこう綴った。