旦那様は高校教師
不安を抱えたまま、プログラムは借り物競争へ突入した。
私は自分の出番が来るまで、心ちゃんから目を離す事が出来なかった。
パーーーン!
ピストルの音と共に、第一走者がスタートする。
心ちゃんの元へ走った人は居ない。
でも其の後、数名の女子が迷う事なく心ちゃん目掛けて一直線に走る姿が見られた。
そして、心ちゃんが首に巻いているタオルや上着を借り、嬉しそうにゴールへ向かう。
中には“先生と一緒にゴール”って人もいたみたいで、手を繋いで走っていた。
苦しいよ…こんなの見たくない。
私は心ちゃんの方を見るのが辛くて、其処から視線を外した。
「次のグループ、位置について!」
ついに私の出番が回ってきた。
どうか、心ちゃんと一緒にゴール出来ますように…。
心の中でそう祈りながら、1枚のカードを捲る。
だけど願いも虚しく、私が手にしたカードには、こう書いてあった。