旦那様は高校教師
“青組のハチマキを借りる”
・・・・・。
どうしよう…青組に知り合いなんて居ない。
でも借りない事にはゴールも出来ない。
「「ほたる~頑張れ」」
グランドの真ん中で立ち尽くす私の耳に、祐奈と詩織の声が聞こえた。
そして…。
「南条!!前へ進め!!」
愛する人の声が風に乗って運ばれてくる。
其の声に、私の体は自然と青組の応援席へ向かっていた。
「す…すみません…。誰かハチマキを貸して下さい…」
誰に声を掛けようもなく、小さい声しか出ない。
皆、応援に夢中で私の存在にすら気付いてない様子。
もう諦めるしかない。
そう思った時、誰かがハチマキを差し出した。