旦那様は高校教師


「あっ、ゴメン。俺が見てたら食べれないよな」



先生は私に背を向ける。



では改めて…頂きます。



「ん~美味しい~♪」



一口食べたおにぎりは、心まで満たしてくれそうな味だった。



「良かった、不味いって言われなくて」



先生は満足そうにハニカム。



せ…先生!!其の顔は反則です!!



今、其の顔に私の胸がキュンとしてる。



此れって何?



先生は答えを知ってますか?



「あっ、先生!今日、祐奈と詩織に今まで打ち明けられなかった事を話しました…」



私は高鳴る鼓動を、昼休みの話題で誤魔化した。



何も気付かない先生は、いつものように静かに耳を傾ける。



「先生、知ってますか?中学の頃、茜ちゃんが私の友達に酷い事をして、1人ぼっちになったの…」



昼休みの事とは話が少しズレてしまう。



だけど私にとって、詩織と祐奈がどれだけ大切な存在かを伝える為には、触れておく必要があると思ったの。





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